燃えろよ燃えろ編

あれは高校2年の冬の事。近所の公園で放火があり木造倉庫が全焼した。翌日その跡地を見ていた時、燃え残ったビニール袋入りの金属の粉を多量に発見!!それは、ちょうど片手に乗る大きさでビニールに包まれおり投げやすくなっている。その武器が燃えカスの中に多量にころがているのだから投げ合いになる。小学生も参加し盛大に戦った。袋が破裂し空中を舞う金属の粉は綺麗でメルヘンのようだった。
その後、疲れた戦友達は焚き火に当たりながら全身にかぶった何かしらの金属の粉を落としていると、粉が花火のようにピカピカ光り始めた。それは、学校の化学の時間でマグネシュウムを燃やした時の炎の光に似ていた。
もう小学生は戦いの跡地に走り手にいっぱい持ってきて焚き火にぶち込み遊び始めた
お兄さんのオイラは格の違いを示さなくてはならない。厳選した純度の高い金属の粉を小学生より大きな両手で大事に抱ええ丁寧にかつ素早く焚き火に運び、高い位置の両手の隙間から少しずつ焚き火に垂らす。この少しづつがミソである。少しづつ入れることで長い間この光を見ることが出来る。入れていると炎がその粉を昇り手にたどり着いた!ビックリするオイラを皆が笑う。
しかし、オイラはそこで諦める事は出来ない。お兄さんだからだ。給食で使うプラスチックのどんぶりを持ち出し厳選した粉を火傷の手で入れる。そのどんぶりを右手に持ち少しずつ焚き火に入れていく。その粉を昇る炎の龍!しかしオイラは安心だ!どんぶりを持っているからだ!!するとどんぶりにたどり着いた炎の龍は激しく暴れ、どんぶりを溶かす。目を丸くしているオイラを皆が笑う。
でも、まだ引けない。引く事は出来ない。それはお兄さんだからだ。今度は軍手をして粉を拾い集めプラスチックのどんぶりに入れる。火傷で痛め細かい動きが出来ない右手は諦め左手で焚き火に粉を投入。炎の龍が昇ってくるが慌てない。昇るスピードより速く粉を落とせばいいのだ。龍が昇るスピードは把握している!それでも、やはりどんぶりの中身に引火。しかし、安心だ。軍手をしている。軍手は燃えないのだ!!
綺麗な左手の上。神々しく光っている。気が付くと燃えている左手の軍手。軍手をしたままで金属の粉を集めたため軍手の荒く織ってある糸と糸の間に金属の粉がびっしりと入ってしまったのだ。左手を力強く振っても炎は消えない。メラメラと燃えている。右手の軍手で叩いても消えない。20メートル離れた水場まで走りやっと消えた。大爆笑の皆でした。
オイラの手にはしばらく火傷が残りました。