ステルベン

今日は夜勤明けだ。一緒に組んだYさんと呑みに行く。朝から開いている呑み屋に行く。呑み屋で呑んでいる時にサイレンが数多く聞こえたがテレビの音だと思い気にせずに呑んでいた。その音がテレビの音では無いと知ったのは10時半に駅前の呑み屋に移動しようとした時の事だった。
駅前の広場に、レスキュー隊の車が5・6台停まってるのが目に入った。奥には救急車も停まっている。看護師のYさんが一言「飛び込んだ」と言った。
駅前の改札に近づくと奥のホームの階段から救急隊が下りて来る。担架に160cmの何かを担ぎ、上から白い布をかぶせている。「ステッたな」「おう、ステッてるね」Yさんと言葉を交わした。
《ステルベン》亡くなる時、病院ではこう言っていた。後から聞いた話では若い女性が飛び込んだとの事。人は誰でもそうだが初めから死にたい人はまずいない。もがき苦しみながら生と言うものに噛り付けるかどうかだろう。また、もがき苦しみながら生きる事に懸命に噛り付き未来を夢見ながら亡くなる事もあるだろう。
もがき苦しんだ末に生きる力が、生きる事への周りからの後押しが、足りなかったあの女性は複数の私服の刑事の男に救急車の中で調べ上げられた後に救急車で運ばれて行った。
 
 
その後、16時まで呑み家路に付くのだった。日勤帯の仲間と合流しようと思ったが明日から旅に出るので止めた。早めに仕度をして早く寝よう。